職場のストレス診断・職業性ストレス簡易調査票 無料診断!厚生労働省が作成したストレスチェック

闘うか逃げるか反応

生理ストレスにこのようなエネルギーを自動的に調節するメカニズムは、「闘うか逃げるか」反応とも呼ばれ、生物が生き残るための身につけてきた能力なのです。

例えば、野ネズミが、林の中でキツネと遭遇したとき、生き延びるために大切なのは、瞬間的に体内のエネルギーを充満させ、「闘うか逃げるか」のための準備をすることです。

そして、このメカニズムは人間にも受け継がれています。

例えば、肉体的な暴力ではなくても、上司による人格を否定する発言は、繰り返されれば繰り返されるほど、間違いなく「ストレッサー」になります。そしてその際には、この「闘うか逃げるか」反応が起こり、ストレスホルモンが分泌されるのです。

しかし、上司の叱責から解放され、自宅に戻ったとしても、この血中に残留するストレスホルモンによって、生理的な興奮がしばらくは残ってしまいます。

職場ストレスで悩む多くの人が、考えを切り替えられない、自宅でも上司の発言が何度もフラッシュバックする、神経が高ぶって夜に眠ることができない、というようなことに苦しむのは、この残留するストレスホルモンが原因なのです。

そして、ストレスホルモンが慢性的に蔓延した状態が、うつ病です。

うつ病についていちばん一貫して確認できる生物学的知見の一つは副腎皮質からの、ストレス関連ホルモン、コルチゾールの分泌が増えているということだ。綿棒で唾液をぬぐい取って調べれば確認できるこの単純な事実によって、うつ病がストレス生物学と関係していることがわかる。

『シナプスが人格をつくる』 ジョセフ・ルドゥー